国民によるシンクタンクがなぜ必要なのか3

昨日の記事「国民によるシンクタンクがなぜ必要なのか~議会質問は官僚が作ってる~」で書ききれなかったことを補足として書いておきます。



昨日、東北地方を震源とした大きな地震がありました。
被災された皆さまに心からお見舞申し上げます。


今を生きる日本人が絶対に忘れられないあの東日本大震災から10年になろうとしています。
当時は地震と津波だけでなく、原発事故も起こり日本中が本当に不安な日々を過ごしました。
 
さて、その原発に関連したお話しします。
「日本エネルギー経済研究所」というシンクタンクがあります。
この「日本エネルギー経済研究所」が2019年の研究報告で、もし原発が稼働されれば

化石燃料輸入額は600億円減
エネルギー自給率は0.5ポイント改善
CO2排出量は300万トン削減

っという試算を出しています。
そのうえで

「これまでに再稼働した9基について、新規制基準適合性に関わる審査書案が了承されてから発電再開まで平均約1年5か月を要した」と分析し、「こうした再稼働までのリードタイムや運転期間延長に向けた審査申請の動きなどを、2020年以降も注視していく必要がある」としています。
(引用元:https://www.jaif.or.jp/journal/japan/1500.html)

要は「原発は動かした方がいいよ」という結論です。

ここでお話ししたいのは「原発に賛成か反対か」ではありません。
こういった研究発表をしている「日本エネルギー経済研究所」は、政治や行政権力、産業界から独立した中立機関ではなく

政治や官僚に都合のいい政策下請け機関だ

として引き合いに出しています。
では具体的に見てみましょう。

まずエネルギー政策を管轄するのは資源エネルギー庁ですので経済産業省です。

それを踏まえて「日本エネルギー経済研究所」の組織を見てみましょう
理事は豊田正和氏です。
豊田氏はネットで経歴書を公開しています。

b
https://eneken.ieej.or.jp/about/president.html

経済産業省の官僚OB、つまり天下りです。
では役員も見てみましょう。
wikiで見てみると

常務理事:大慈弥隆人(元経済産業省)
常務理事:黒木昭弘(元経済産業省)
常務理事:田中浩一郎(元外務省)

と天下り組で占められているのがわかります。
それだけではありません。
他の理事を見てみましょう。

c
https://eneken.ieej.or.jp/about/index.html

専務理事の大谷豪氏(元東京電力)を始め、各電力会社の役員がズラッと名を連ねます。

では、この「日本エネルギー経済研究所」にどれくらい税金が流れているのか見てみましょう。
転載するのが面倒なので画像で貼りますが、2015~2017年度の間だけで

37億3800万円

の税金を経済産業省から貰っています。

d

こういったシンクタンクが原発事故が起こるまでは「原発は安全」「原発のコストは安い」という提言をし続け、今は「原発の再稼働」と提言しているのです。
もう一度言いますが、私は「原発に賛成か反対か」の話はしてません。

これで正しい政策提言が可能なのか?

という話をしています。
もし私が経済産業省からこれだけのお金を貰えるならば、この減税新聞は「原発万歳新聞」に名前を変えます笑
個人的には「原発再稼働賛成」ですし、経済産業省のやりたい通りに記事を書くでしょう。
もし「補助金をあげるから増税万歳新聞にしろ」と言われたら喜んでするでしょう。
「日本エネルギー経済研究所」も中立の立場で政策研究など出来るはずがありません。

そういった忖度政策提言や研究を元に作られた資料によって経済産業省の官僚が政治家に説明をし、政治家はそれを丸呑みし、政策が作られていき、その政策によって国民生活が左右されるのはおかしいと思いませんか?

以前記事にした内閣府調査と全く違う結果が出た「みずほ情報総研の環境税に関するアンケート調査」も同じ話です。




だから国民側の国民によるシンクタンクが必要だと書いたわけです。

この「日本エネルギー経済研究所」の話はほんの一例です。
ほかにもまだ「経済産業調査会」「日本経済研究センター」や「日本リサーチ総合研究所」「独立行政法人経済産業研究所」などシンクタンクは沢山ありますので、例えば「消費増税が必要」「炭素税が必要」と提言しているシンクタンクはどういう組織なんだろう?と、そこの役員の前職は何か、それくらい補助金を貰っているかなど調べると面白いかもしれません。

そしてそれらや今回の記事で書いたことを見たうえで、もう一度昨日の記事「国民によるシンクタンクがなぜ必要なのか~議会質問は官僚が作ってる~」を読んでいただければと思います。



では今日はこの辺で。

今日も減税、明日も減税、令和の大減税!

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